Warumiの柱

「こころミュージアム」のキュレーター。Warumiの「こころの魔法」研究報告です☆

無意識。このかわいくて、執念深くて、魅力的なやつ。

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精神分析、をご存じだろうか?

それはかのフロイト大先生が、私たちの中にはどうやら「無意識」という世界が誰にでもあって、それがいかにあなたや私に影響しちゃってるか、という大発見をして下さったことにはじまる。

例えば「痩せたい!」って思うじゃないですか。それでしばらく頑張ってダイエットして80kgあった体重が50kgになったと。しかし悪名高き「リバウンド」がやってくることがある。これは身体の恒常性っていう「もともとあなた80kgでしたよね?はい、80kgに戻して!」という身体の持つ特性も影響するんだけど、それと同じくらいの働きをするのがこの「無意識」。

この「無意識」っていうところに、

  • 80kgの時にいい思い(いっぱい食べられたとか、いっぱい食べたことでいやなことを忘れられたとか)したじゃん?
  • 小さい時、ぽちゃぽちゃしててかわいいってママにいい子いい子ってされたじゃん?
  • 恋愛も仕事もうまくいかないのは、80kgだからじゃん?(だから恋愛と仕事がうまくいかない間は痩せちゃダメじゃん?)

ってまあ、これはほんの一例だけど、そんな思いが存在してると痩せようとするのを阻止しちゃうっていう構造が私たちの中には備わっている。「痩せたい(意識)、でも痩せてもらっちゃ困る(無意識)」で、なんと無意識の方が圧倒的な勝利!ってなることが多い。他にもその人にしか到底わかりようのないびっくりするような「痩せちゃ困る」理由が眠っているってこともある。

だから自分がいくら「痩せたい!」って思っても、痩せられない/リバウンドばっかりしちゃう、、、どうしたらいいでしょうかー?(涙)という問いに対して、この無意識の中にある言い分っていうのを聞いてやろうじゃありませんか?っていうのが、そもそもの「精神分析」っていうのもののスタートなわけだ。

こんな風に書いてしまうと、なんだその無意識ってやつはわたしの幸せを邪魔するいやなやつじゃんか?そんなやつ嫌いですー(怒)というお気持ちもわかりますが、ちょっとだけ聞いてやって。実はこの無意識っていうのは、「無意識」だけにめっちゃ厄介で、執念深くて、でも憎めない、なんとも言えない魅力に満ち満ちたやつなのだ。

あんまり魅力的だから、フロイト先生、ユング大先生に続きゴマンという精神分析家、研究家が誕生し(日本では何といっても河合隼雄先生ですね)この100年程度の間にこの精神分析という世界はどんどん研究されて、たくさんの発見があった、と、思う。

しかししかし、しかーし。この前のブログで私がくどくどと書いたように、この「無意識」へのアプローチはなかなか大変なんである。この下の写真は数年前、私がロンドンにあるフロイト博物館に行ったときに撮った!(ちょっと自慢。ほら、一見disっているように見えて、私の無意識への愛が伝わります?でしょ?。。。ごめんなさい。)ものですが、右側がかの有名なフロイト先生のカウチです。ここにクライアントさんが寝そべりながら、夢について様々なことを語るのを、フロイト先生は机の前でお聞きになる、といわけです。

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脱線がてら(私の話はだいたい脱線系♡)もうちょっとこの部屋について語らせてください!それはもう、部屋中もんのすごい量のエジプト系、仏教系、民族系?の置物やら絵やら彫刻やら、その醸し出す雰囲気だけで普段見向きもされない無意識の世界にふっと誘われていくような、一種の装置みたいなお部屋、であった。行かれる方がおられれば、出来ればここで半日くらい過ごしてみてください。ロンドンっていう街の持つ、独特の空気感とあいまって、普段よりも夢がよりビビッドに見られるかも?

で、この無意識へのアプローチの話である。なにしろ「無意識」なわけだから、「はい、じゃ、あなたの無意識聞かせてください」「はーい☆」ってわけにはいかないのである。逆にその程度でほいほい出てくるような無意識の世界は、そもそも無意識って言わないのである!

そこでフロイトユング大先生はあなたの見た「夢」をその無意識へのアプローチのひとつとして使ったのだ。なぜなら夢にはあなたの無意識の世界が投影されていて、あなたの夢を語って頂く、ということは、誤解を恐れずに言えば「あなたのこころの奥底にある願い、あなたの問題の解決の糸口」のほんのちょっと、を教えて頂けるっていうことなんです。

「夢占い」ってあるじゃないですか?あれは、この無意識の世界に眠るあなたを超・超・超ラフに「意識語」?に翻訳しているものだって私は思っている。

ただね、この「精神分析」と一般的な「夢占い」って似て非なるもの、というか、ふかーーーーーくて、とおーーーーーーい関係性があるんですよ。もともとの出発点というか、ご先祖様はね、一緒。だけどもう、親戚でもないですーくらいな間柄?

で、きのう私が述べたくどくど、に再度繋がるんですが、このね、精神分析に基づく夢の解体共同作業って、専門家がどのくらいそれが出来るまで修行するかご存知です?もうね、何十年単位(乱暴)って言っても過言ではないかも。そして、この精神分析を受けるには、毎週1回、精神分析家/精神分析カウンセラーのもとに通って思い浮かんだことをただただお話する、っていう、それを何年も(言い過ぎかも)するっていうもんのすごく高いハードルがあるわけ!

ね、もう、相当の覚悟でこの道に賭けます、わたくし!!ってくらいの意気込みがないと、飛び込めない世界でしょ?で、もちろんこの分析家になるには、このくらいの意気込みを受け止めるだけだけの修行(と敢えて言わせて頂くけれども)が必要ってわけです。お坊さん並みの修行だと私は思う。お経くらいの文献を山のように読んで、咀嚼して自分のものにして、そして分析家の方も分析を浴びるほどもう、受けなくちゃならない。そして、はい、やっとスタート。

いくらね、私が無意識を愛していてもこりゃかないませんぜ、だんな。

でも、でも、だからってあきらめきれないじゃないですか?身分の違いがあるっていうのが、逆に燃えるじゃないですか?(私はそういう性質です)。こんなに魅力的な「無意識」を身分違いの恋ってことで諦めちゃっていいんですか??

 

つづく