Warumiの柱

「こころミュージアム」のキュレーター。Warumiの「こころの魔法」研究報告です☆

琵琶、温泉、レモンと天女舞う天国の軌跡

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で、シルクロード

何度目かに、このシルクロードが私の人生の中でクローズアップされ始めたこの頃、ちょうど私は今後の自分の人生、についてこれまで以上にあれこれ思い散らす時期にさしかかっていた。大学院も何とかして卒業しようと思っていたし(前年、一年休学していた)、産業カウンセラーの講座もスタートさせていた。そして働いていた会社も、その翌年の5年の任期が終了する年度末には、心機一転、これまでと違う世界をスタートさせたい、と切なる願いもあった。

しかししかし。心理学って問題解決できるんだと思ってた。で書いたように、その実、私は完全に詰んでいたのである。そう、心理学をまでちょっとばかり疑いながら、でも信じたい!信じさせて~じゃないとやばいじゃん!今後の人生かかってるじゃん!(困惑)と心乱れる毎日だった。そんな心境で修論のために山のような論文と格闘したり、課題をやったり、は、ほんっとにきつかったーーー!(もう、二度と!論文なんぞ書きません、絶対に!)。おまけに私が学生だった大学院は、週に1度の実習まで要求してましてね。。更に産業カウンセラーのダブル通信スクール地獄。合間に仕事も普通にお願いしますねー!という状況だったからもう、ちょっと気を抜くと魂が抜けそうな毎日。いや、間違いなく抜けていた。

そこに舞い降りてきたマイ・シルクロードブーム・アゲイン!?地球の重力が倍になったか?疑われたほど、心がぎゅーっと押し込まれるような生活の中で、それはまさに渡りに船の心の逃避場所だった。砂漠には論文もないし、心理学もない♪ ♪(そういうことでもないか)私はシルクロードのイメージに自分の心を飛ばしては、時々、ほ~っとしていた。特に小学生の頃から私は、敦煌やらキジルの石窟に描かれていた飛天の乱舞のさまが大好きだった。見ていると、極楽浄土並みに気分が上がるのだ!単純に気分が上がる、ただそれだけなのだけれど、とにかく見ていると気分が良いのだ。飛天のお姉さんたちにずいぶんと慰めてもらった。たった一瞬見るだけで満足。

そしてこの映画。ヨーヨー・マの映画の中で、もうとにかく音楽と演奏者が素晴らしくて(ぜひ見てください)、心が躍ったのだけれど、その中でもこの中国琵琶を演奏する、ウ~・マンさんの演奏に痺れた。めっちゃかっこよかった♪♪ロックギタリスト並みの迫力である。琵琶ってなにこれ、すごくない??と私は夜中に(はい、、課題の締め切りが迫っているというのに、映画を見ていたわけです)小躍りしてしばし浮世の憂さを晴らしたのである。

youtu.be

そしてこの映画を見たしばらく後だった。夏前に、明日をも知れぬ修論が、なんと危篤状態を奇跡的に脱し、なんとかなるかも?と一筋の光明が見えた頃、私はだいすきな姉さんのいる今治に出かけた。もともと長く働いていた旅行会社で出会った姉さんと、同じくそこで出会った妹のような友人と今治で会おうと約束したのだ。この旅もほんとーに楽しかった。そして今、思い出してもとても印象深い旅になった。もろもろでへろへろになっていた私に、姉さんはいつものホスピタリティで(ホスピタリティが服着て歩いているような姉さんなのだ)私たちが好きそうな所にしゃしゃっと連れて行ってくれた。

まずはだいすきな温泉だ♡

この時は、町なかにあるしまなみ温泉 喜助の湯というシャレオツな温泉に行くことなった。どうやらしまなみは、既にサイクリングの聖地となっており、この温泉はその基地のひとつになっているそうである!今治すごい!あつい!

わ~い♪と気分上々で女湯に入った途端、そこで驚いた。なんとなんと、女湯の壁にはかわいらし~い絵が描かれていた。後で知ったが、これは鬼頭祈さんというイラストレーターの方が描かれた「ミカンの守り神」という絵だそうだ。そしてその絵の空には。。。天女さまが舞っていたのだ(涙)。そのうちのおひとりは琵琶を手に、である!温泉で上気していた私の気分は更にアゲアゲとなった。ふんわりしたうきうきガール気分で、温泉につかりながらずっと壁画を見上げていた。サイコーのスタートだった。

そしてレモン好きな私がレモンレモンといつも騒ぐものだから、そこは流石の姉さんであった。翌日は生口島に行こう!と、次の日の企画も万端にして下さっていた。その生口島。もちろんレモンはめちゃめちゃ有名なのだけれど(レモンのお菓子おいしかった~!またぜひ行きたい☆)、私的には更に、というか同等以上の平山郁夫大先生の美術館があるのだ!じゃじゃーん!平山郁夫、といえばシルクロード!でしょ?でしょ?山梨にある「平山郁夫シルクロード美術館」ほどのシルクロード色はないのだけれど、画伯の幼いころのスケッチなんてあって、私のこころがまたほーっとした。そして大きなシルクロードの絵の前で感無量になった。だって、島でこんなに楽しいのに、その上シルクロードまでなんてもう、盆と正月が一緒に来たようだよってのはこのことです。

そして生口島ったらこれで終わらない。みなさんは耕三寺 をご存じだろうか?不肖私めはここに連れて来てもらうまで知らなかった!昭和初期に「お母様への感謝ために」耕三寺耕三氏という実業家の方が建立したお寺だそうだ。とにかく、これは体験して頂くのが一番だと思うのだけれども、このお寺、まじ尋常じゃない(誉め言葉です!)。なんだろう、もう極楽と地獄と東洋と西洋が混然一体のカオスと化しているなかに、母への愛がこんこんとあふれ流れ出でているお寺である。ご興味のある向きは、ぜひ!体験してみてください。南国の太陽はきらきらしていて、そしてそこに!また天女さまたちのレリーフがあって、私はこの旅何度目かのアゲアゲ気分を更に満喫したのだった。南仏の小さな町にある教会に流れているようなあかるく、軽い空気感だった。地獄めぐりもサイコーにファンキーだった。(いや、ほんと姉さん、その節はありがとうございました)

勘のよい皆さまはもう、お気づきかもしれない。ここでまた面々と書き連ねているのは、シルクロードや、琵琶、飛天/天女のイメージに私が出会い続けていた、という記録だなのだ。

そしてそれは序の口で、この後もまだまだ続くことにあとで私は気が付くことになる。

(つづく)