Warumiの柱

「こころミュージアム」のキュレーター。Warumiの「こころの魔法」研究報告です☆

カウンセリングが効きにくいひとって。

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のっけからまた、言い切りが過ぎたかもしれませんけれども、また自分自身の経験から今日はカウンセリングの効果についてお話したいと思います。

私が最初に正式なカウンセリング、というものを受けたのはもう十数年以上前になりますが、それ以来かなりの時間とお金を、このカウンセリングというものに投入してきました。

なぜそういうことになったのかと言いますと、やはり自分のなかの何かがおかしい、ずれている、という思いがどんどん大きくなったこと。それまではいわゆる「スピリチュアルな」何かや自主学習的に心理の世界を学び、対応しようとしていたけれど、どうやらそれでは太刀打ちできそうにない、と悟ったんですね。

そして、そもそも私がこのカウンセリング、というものに興味と強いイメージを持ったきっかけというのが河合隼雄先生の本たち(ハマりやすい性質なので、相当数の著作を拝読しました)なのでした。

河合先生の本の中には、いろいろなクライアントさんが登場されるのですが、もうね、魔法なんですよ、魔法!本の中のこのカウンセリングってやつは。それまでの自分信条みたいなものがぐるりと変わったり、人生がまったく違うものになったり、もちろんそこには心理の巨匠である河合先生が介在されている。そう、何かこう心に深く染み入るドラマを見ているような感覚を、河合先生の本から感じたんですね。

「自分も同じようなことでちょっと苦しんでる」と思った私が、だから、自分がカウンセリングを受けようと思い立ち、実際に開始するまでたいして時間は必要ありませんでした。その時、自分にはうつ等の症状があったわけではなかったんですけど、こちらで書いたように、私は自分の人生を黒字化=よき方向に転換させたい、と切実に思っていましてね。だから、その「心に染み入るドラマのような体験をしたい」とどこかで願っていたように思います。

この願いが私をカウンセリングやもっと本格的な心理の世界にぐっと引き寄せる原動力となったのですが、一方この「ドラマを求める気持ち」は、本来のカウンセリングの効果というものに、同時にブレーキをかけていたようにも思います。

すなわち「自分にドラマが起こらなければ、そのカウンセリングは効いていない」という前提が自分のなかにしっかり根を下ろしていたことに、その頃はまだ気が付いてもいませんでした。

無意識にドラマを求めていた私が何をしたかというと、まずはカウンセラーの先生への迎合です。その頃には本をかなり読んだり、何かの講座や勉強会的な場で知識を得たり、と心理の世界のいくらかがもう、頭の中にインプットされていました。それに加えこちらで培った相当なお察し力もある。そのふたつの力を駆使すると、そのカウンセラーが今、私に何を期待しているのか、ということを察知するのはそう難しいことではありませんでした。

私はまるで、小さい頃の学校の先生や、旅行会社時代のクライアントさんを満足させたい、というモチベーションのまま、そのカウンセラーに相対していたのだと思います。当然、カウンセラーの方とは話が合います。そこで私が話題にしている内容自体は心理学的には間違ってはいません。でもねー!私がいかに生き辛いか、というテーマの解答基礎編くらいは、今の時代簡単に事前に手に入るのです。だから一見、すごくまともなカウンセリングのやり取りがそこで生じている「風」になる。

もちろん、その時のカウンセラーの方はそれをとっくに見抜いていて、その傾向をずばりと指摘された方もいらっしゃいました。

指摘されて、はっ!!と気づいてね。それで私の生き辛さが大転換して、私は生まれ変わったのです!ってことでしたら大団円ですよね。

でもね。そうはなりませんでした。指摘されたことはなんとなくわかったような気もしたんですけれどね。生憎、そうはなりませんでした。だって私、それ以外にどうやって人とかかわるのか、方法がまったくわからなかったんです。普通に息を吸っているつもりなのに「その息の吸い方ちがうよ!」って言われてえ?と驚く感じに近いでしょうか。自分では息は吸えているんですよ。それでちゃんと生きてもいるから、一見「息の吸い方が違う」って言われても、この方法しかしらないもん!口と鼻以外どこから息吸うのさ!?ってね。そんなわけわからんこと出来るかいっ!って排除しちゃったんですよね、きっと。

それでもカウンセリングでは、いろいろと深く話すことが出来るから、そういう対話に飢えていた私は嬉々として通い続けました。通いながら、都度話すことのカタルシスやそっか、、というちょっとしたtipsを得たりはしましたので、まったく無意味だったわけじゃありません。しかし反面、なんで私にはドラマが起こらないのかな、、、と心の奥底でちょっとがっかりもしていました。

そう。私はね、がっかりしちゃってたんですよ。ドラマを起こしたくて始めたのに、河合先生の本にあるようなドラマが起こらないじゃないか!ってね。そのドラマを起こそうとして(自分でも無意識だったとはいえ)カウンセラーに迎合し「ドラマを起こすための正解カウンセリング」を演じていただけだったんですよね。それこそがドラマが起こらない原因だとも理解せずにね。

恐らくそういう指摘も多々あったんだと思います。でも私が本当の意味で自分でそれに気が付いたのは、それからしばらくたってからでした。ある心理療法の講習会に参加した時、その席上で講師の方のデモンストレーションとして、私がクライアント役をやることになったんですよね。

参加者に取り囲まれて、クライアント役をやった時に、我ながらね。このデモが出来過ぎてるって途中、ものすごくいやな気持ちが湧き出てきちゃったんですよね。なんか過剰なクサい演技に観客が鼻白んでる感じ?

その時の講師の先生はほんとうにいい方で、だからこそ、その方の「こうしたい」っていうお気持ちを、私はキャッチしやすかったのだと思います。だからもう、超先回り優等生感満載でそのデモに参加してました。終わる瞬間、講師の方の顔がちょっとだけ曇っていて、ああ、やっぱり先生もなんかこのデモおかしいって感じられたんだな、って気付いてちょっとショックでした。

その時にもう痛いくらいにね。自分の対人関係のパターンがまだ全然自分の中に残っているのを感じました。嗚呼、正体はこれかって思ったんですよ。ここで書いたように、私は名言だけじゃなくて、自分にとっての権威に寄せるっていう行為がもう、無意識にできちゃう状態に仕上がってた。仕上がっているものを気づいて、その後ぶち壊していくのは、なかなか大変な作業の連続であります。

今回お伝えしたこれは私の個人的な体験です。ですが、これからカウンセリングを受けようかなって思われている方に、私と同じような遠回りはしなくてもいいと思いますってことをお伝えしたかった。貴重なお金と時間、そして皆さまのエネルギーが必要になりますからね。なので、老婆心ながら以下の二点をお伝えしたいと思います。

ドラマチックなカウンセリングには、大抵、落とし穴やウソがあります

私のように相手を満足させるような受け答えをする癖がある方。そこに突っ込んでいかないと、いつまでたっても同じところでぐるぐるしかねません。

何かのご参考にして頂ければ幸いです。

 

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