Warumiの柱

「こころミュージアム」のキュレーター。Warumiの「こころの魔法」研究報告です☆

サービス業の中で働いている人に起こりがち?な危機とその対処法(その3)

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本日もこちらの続き、最終回です。

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コンパッション・フォーカスト・セラピー(CFT)

今回はコンパッション・フォーカスト・セラピー(CFT)についてご紹介しようと思います。

昨今いろんな心理療法が世界中で誕生していますが、このCFTも比較的新しいセラピーのひとつです。また横文字!?ですよね~~それに、そもそもコンパッション?フォーカスト?何だそれ?ですよね!

コンパッションって「思いやり」のことです。もうちょっと踏み込んで言うとすると「相手の気持ちを理解して、もし困っているなら力をかしたいな」っていうような気持ち込みの「思いやり」って感じでしょうかね。それにフォーカス(焦点を当てる、とか集中する、とか)するセラピーのことです。

昨今「マインドフルネス」というのが、また西洋から日本にも逆輸入されてちょっと流行りな感じにもなってますが、このCFTもそもそも、仏教的な「コンパッション=思いやり、慈悲的なこころ」がひとつのキモであります。

とは言え、これって仏教のセラピーなの?聞かれると、そういうことでもない。このセラピーの理論背景は人間の生物学的、生理的な要素や、心理学の王道?の愛着理論、と言われるものなどの種々様々が取り入れられております。

まあ、難しいことは抜きにして、私がこのセラピーにおお!と思ったこと。それはこのセラピーが恥や自己批判の感覚、そこから生まれる自分をいじめてしまうような感情に働きかけるセラピーですよ、と知ったことだったんですね。

もしお時間があればちょっとこの動画(日本語字幕付)をご覧頂下さい(お時間ない方はすっとばしてね♡)

youtu.be

いかがでしょうかね~。この最初のところ。私、なんかちょっとわかる~!って思いました。自分は何の犯罪も犯してないのに、パトカーの音が鳴ると「え?うち?」って頭をかすめちゃう。犬が吠えても、赤ちゃんが泣いても「え?私のせい?」って一瞬思っちゃう。まわりの人に「赤ちゃんが泣いたのは私の所為じゃありません、勝手に泣いちゃったの、信じて!」って言いたくなっちゃったり(もちろん言いませんがね!)。

こうやって書くと、いやいやいくらなんでもさーそんな妄想、頭に浮かんでも信じてないよ~!ダイジョブ!って仰られるかもしれません。でもこれがね~一瞬でもね。どうやら私たちの身体にけっこうなインパクトを与えてしまっているらしいんですよね。そりゃそうだ。ドキドキすれば、動悸がして心臓や血管に負担がかかっているし、心臓発作とかって、どきっ!とする出来事がきっかけになったって話、よく聞きますよね。

そして、このドキドキですが、サービス業の仕事をやる中でわりとよく感じる感覚なんですよね。なんてったってお客さまの反応がダイレクトに見えてしまう。だからもしかして、そのお客さまはただ、今朝奥さんとけんかしたからむすーっとしたお顔をしているかもしれないのに、「え??当社のサービスに何かご不満でしょうか。。」ってちょっとビビっちゃう。

または、いきなり怒鳴り始めたお客さまや上司を見た時に心臓がきゅーっとしちゃったり。え?私、何かしちゃった?ピンチ!!っていう状況になると「もうおしまいだ、、、!私は失敗した、首だ。。。」みたいなクラクラした感じがあっという間に全身を駆け巡ったりする。これって結構サービス業あるあるじゃないですかね~。

こういう出来事があっても、その後すぐに持ち直せれば大丈夫です。でもね、自分に自信がなかったり、失敗続きで上司に注意されたり、仕事の成績が下がったり?ってなるとね。うちでお風呂に入っても、ついつい昼間のこの出来事を思い出しちゃう。なんであの時あんな失敗しちゃったんだろう、あんなこと言っちゃったんだろうって、自分を責めてしまう。まさに先ほどご覧いただいたスチュワードくんみたいな感じですね~。

私、若い頃に、夜寝る前、自分がその日、会社や仲間内で言ったこと?セリフをまたいちから思い出す、なんてことやってました。「あれは言葉を間違えた!」とか「しまった言い過ぎた!」とか「言えなかった。。」とかね。自分勝手反省会みたいなのを、毎夜繰り返した時期がありました。

これってね。仕方ないんですよね、とギルバート博士は仰る。なぜならばね、人間が進化していく過程で、こういうピーンチ!っていう時には、自分の身の安全を守るようなシステムってのを人は装備しちゃってますから、とこういうことらしいんです(そしてこのあたりの考え方、というか体のシステムの捉え方は、昨日ご紹介したSE®にも似た側面があります)。

それに加え、幼少期から「今、わたし完全に安全♡」っていう深い安心感を感じた経験が少なかったりする(他にも原因はあります)と、身体や脳のデフォルトがいつも「不安モード」になっているらしいんですよね。そうすると、何が起こっても「不安」っていう眼鏡で出来事を見るようになってますからね。不安が更に不安を生み、何かあればびくっとしてしまう、不安スパイラルの中に投げ込まれてしまって、怖い事ばっかり想像してしまう。

CFTは、ものすごく乱暴に言ってしまうと、この「自分を責める/不安になる自分の声」と仲良くなりましょうよ!というセラピーです。

適度な反省は次へとつながる有効なアクションですがね。ものには限度というものがあります。それに、他人に厳しかった私は、先ほど書いた通り、やっぱり自分にも相当厳しい言葉を投げかけてたんですよ。よーく思い出してみるとね。

そんな自分の経験もあるものですから、そんな厳しい声と「仲良くなりましょう♪」なんていうセラピーだなんて!と、興味をひかれて、それでさわりを学んでみたんですよね。

結果、自分にとてもよかったワークがいくつかありました。そのうちのひとつをここで簡単にご紹介します。これは自分でも簡単にできますから、よかったらぜひやってみてください。童話やストーリーが好きな方、ちょっと向いているかもしれませんよ。

まず、自分のなかにスーパーマン/女神/ものすごく尊敬している、とか、すごい優しい友人とか、好きな人のイメージ、を持ったもうひとりの「自分」をイメージします。ここで大事なのは、それも「自分」であることです。自分その1、その2、みたいな感じ。このもうひとりの自分に、自分の中にぐるぐるしている、自分を責める内なる声と、自分の代わりにお話してもらうんです。その間、この私という自分はそのふたりの対話を聞いている、みたいなポジションに置いておく。

「なんであんなミスしたんだよ、ほんっと私ってばか!」って責める声が聞こえてきたら、女神の自分に相手をしてもらいます。自分じゃなくて「女神の自分」が相手をするんですよ(ややこしいですね!)。自分だったらその責める声に同調しちゃうんですけど、「女神の自分」ですからね。にっこり笑って「それってそんなに責めるようなことかしら~?」なんてめっちゃ優しい声で返してくれる。「そうだよ!ばかばかばか!」なんてまた責める声が言うと、女神の自分がいきなり、よしよし、と頭をなでてくれたりする。ぎゅっとハグしてくれるときもあります。泣いている間、ずっと背中をなでてくれたりもする。

これって小さい頃、自分をそばで慰めてくれたぬいぐるみとか、タオルとかね。そんなイメージかもしれませんね。それが自分の好きな楽器でも、食べ物でもなんでもいいです。とにかく自分をやさしく包んでくれそうなイメージがあるものがいいかも。

このイメージの自分にご登場して頂き、責める声と対話を重ねることで、自分の中の厳しい声、責める声、不安な声、とちょっとづつ距離をつめていく。そして仲良くなっていくっていう作業を続けます。冒頭の「コンパッション」って実は、自分に向けて「思いやりの気持ちを持って、力をかしたいな」ってところからスタートなんですよね。

えー!そんなちょっと子供騙しみたいじゃん!って声が聞こえてきますが(これが、今の私の中に聞こえている、内なる責める声です!)まあ、騙されたと思ってトライしてみて下さい。手動瞑想と同じく、一円もかかりませんからね☆

とは言え、特に日本人にはいきなりこんなお芝居?みたいなことをひとりでやれっていっても難しい。それにCFTはもちろん!このワークだけでなく、もちろんもっとたくさんのワーク(カウンセラーと一緒にやったり、ひとりでやったり)と、「なんで私、いつもあんな風に怒っちゃうんだろう、やっちゃうんだろう」という疑問に答えられる理論があります。ご興味を持たれた方は、ぜひ、下記のフォームからお問い合わせください。

これもとても仏教っぽいんですけど、そういった知識と思いやりの両輪でできているセラピーだっていうところも、私がこのセラピーに惹かれるひとつの理由のように思います。知識だけあったって、思いやりだけあったってだめなんだぜ、と。どっちも必要なんだよ~っていうのがとてもいい。

そしてもうひとつ。コンパッションって、選択をする「勇気」だよ、とギルバート博士が仰っておられるんです。このことば、私にがん、と刺さりました。選択するときには勇気が必要。ただ、この勇気を使えるようになるために、まずは内なる責める声と仲良くなりましょう!

ということで、よろしければ色々お試しくださいね~☆そして、ご質問やお問い合わせもどうぞお気軽に☆お待ちしております。

 

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