Warumiの柱

「こころミュージアム」のキュレーター。Warumiの「こころの魔法」研究報告です☆

お悩みの俯瞰(実践編2)

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前回からの引き続きです。

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カードを使ってまりさんにお話の続きをお伺いしています。

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Ⓑ「手放す」

 次はⒷのカードです。絵の真ん中に穴が開いていて、そこに梯子がかかっている。梯子から青い服の女性がまさに地上に出ようとしていて、彼女に男性が手を差し伸べています。白黒のポートレイトのような絵が、女性の右手から放されたばかり?でしょうか?

まりさんがまず注目されたのはポートレイトでした。

「これ何の絵でしょうね?」と、まりさん。

私はカードの写真を撮ってその部分を拡大しました。やはりそれは白黒で、男性のポートレイトでした。その拡大された部分をしばらく見て頂いたあと、まりさんがこうお話をされました。

「この写真、見てたら父のことが浮かんできました。」

「うちの父ってすごく心配性なんですよね。私のこととなるとあれこれ心配でもう、うるさいくらい口を出してくるんです。」

「若い頃からそれがいやでいやで。それで父と言い合って、たまには家出したりしてました。高校生の時です。父の顔も見たくなくて。って言っても、友達の家に一泊しただけですぐ帰ってきちゃうんですけどね。それ以上は反抗しようがなくて。。」

「今もそうで、大人になったから父の気持ちはわかるんですけど。。でも、私ももう30半ばだし、子どもじゃないんだから、いちいちうるさく言われるのって疲れます。」

 「言い合う度にもう、いいやって思ってきて。年代も違うし、私ももう大人なので父と言い合ってまで、わかってほしいっていう気持ちもなくなりました。だから最近はめんどくさそうな話になると、話をそらしたり、適当に合わせたりしちゃいます。」

 そこまでのお話を聞いて、まりさんにお聞きしました。お父様を思い出されたようですが、そのポートレイトの人物がお父様だとすると、どんな感じ?気持ち?がしますかと?

まりさんは、またしばらく黙って考えておられました。

「。。。父親を粗末に捨てたような気持ちかな。ちょっといやな感じ。縁起でもないけれど、、、なんだか父の遺影を捨てたような罰当たりな気になってしまいました。」

まりさんの中で、お父様への気持ちが動いているように感じました。そこで引き続きお父様の話をして頂きました。

まりさん曰く、お父様は何でも手堅いものをよし、としていること。小さい頃はそのお父様の姿を見て、煙たいけれど立派な大人に見えてちょっと誇らしかったこと。でも大きくなるにつれて、お父様の言動に我慢できなくなることが増えていったこと。その他にも、数々のエピソードがありました。

お話をお伺いしていて、まりさんがお父様のことを信頼できる大人である、と尊敬していらっしゃる様子がとてもよく伝わってきました。例え、お父様との間の葛藤は現在進行形であるとしても、です。

改めてそこで、今のお仕事のことをお伺いしました。

まりさんの今の会社は、どちらかというと保守的な会社であり、良く言えば比較的安定しているけれど、悪く言えば旧態依然としているところがある、ということでした。

そのお話をお伺いして、私にはまりさんの会社とお父様が重なり合っているように感じ、その旨をお伝えしました。

いみじくも、まりさんも同じように感じ、それに思い当たった様子でした。

「なんか。。。さっき父を粗末に捨てると思ったときに感じたのと、会社を辞めようと思う時の気持ちが似ているような。。後ろめたいような気持ちがするんです。こんな時代に普通に働けているのに、別にやりたいこともないのに辞めたいって、私何考えてるんだろうって。。」

このお話のあとⒶの綱引きの絵をもう一度見て頂きました。先ほどまりさんが「見たくない」と仰っていた「争い」のシーンです。

しばらく絵をご覧になって、まりさんはまた、はっとされたようでした。その後いくつかのやりとりをしながら、彼女と一緒に思いを展開していきました。

その途中のお話は割愛しますが、まりさんの「会社を辞めるべきか否か」というお悩み。それは、実はお父様がシンボルとなっている「親の価値観」と「まりさんが良いと思う価値観」との綱引きであった、ということがまりさんの中でだんだんはっきりしてきたご様子でした。

そして、まりさんの中では、自分の価値観を押し通すことは、お父様を見捨てることとイコールになっていたようでした。お父様とは意見が違うなと思いながらも「でも自分の事を心配してくれているんだから」と敢えて対決せずに、その葛藤をそのまま脇に置きました。脇に置くこと自体は、無駄な言い争いをしないためのひとつの方法であったかもしれません。

しかし、まりさんとお父様。まりさんと会社。その関係性は、本来まったく別のものです。まりさんの今お勤めの会社が「安定・旧態依然・変化がない」という、お父様をイメージさせるものであったため、「会社(=お父様)は対決すべき対象ではない」と、仕事についての思いも、お父様同様、まりさんは脇に置かれたようでした。これが「辞めるか否か」という答えの出ない「悩み」の状態が続いている原因のようでした。

まりさんが今回駆け込んで来てくださった背景は、この「悩み」について、置き去りにしていた対決に対峙する時期がやってきた、ということだったかもしれません。「仕事について、自分がどう考え、どう選択をするのか」という問いに対し、自分の思いを定める必要性を、まりさん自身が既に感じられていおられるように感じられました。

といったことが、お話をしながらまりさんも私も、だんだんわかってきたところで©の絵をじっくり見て頂きました。

©「自由」

この絵にはまりさん、最初からぴん、と来られたようでした。

「。。。そうか、、私が決めると、私は自由になる鍵がもらえるんですね。」

と仰いました。

青い服の女性が、椅子に座る女性の足に巻かれている鎖を大きな鍵を使って取り去ろうしているように見えます。カードのタイトルは「自由」。Ⓑのカードでポートレイトを手放した青い服の女性がここでは大きな鍵を持って現れている。それにまりさんは気が付かれたようでした。私も青い服か!と思い、ちょっとどきどきしました。自分の価値観を決めなくちゃ、と気付かれた、まりさんの緊張がちょっと伝わってきたように感じたからです。

その後、まりさんがお仕事に対してどういう価値観を持ちたいか、思いっきりラフに書きまくっちゃったりするのが良いかもしれませんね、とお話をしました。今は外界に色々な情報を集めまわるより、まず、ご自身が何をいちばん優先させたいか、という価値観そのものを見極める時なのかもしれません。そんなお話をいくつかして、今回のご相談を閉じさせて頂きました。

人の価値観は本当にさまざまです。固い職場が合う人、自由な職場を心地よいと感じる人。どちらでも良いのです。ひとつだけ確かめるべきことがあるとしたら、一見、自分が仕事を選んでいるようで、実は他の誰かに選ばされているかもしれない、という点です。子どもの頃から「お前のためには、これが一番良いのだ」という親や学校、教師、社会から受け継いでいる「こうあるべき」という価値観で、自分の選択をしているとしたら。

そんなはずないのに、実は「選ばされていた」ことを「私」に知らせてもいいかな、と無意識が動く時。そんな時は何らかのサインが、日常生活に色々現れてきます。今回のまりさんのように「会社を辞めるか否か」という悩みがぐるぐるしたり。または、急に会社に行く気がなくなってしまったり、気が付けば最近自分ばかりが会社でひどい目に遭っている?といったような出来事が起こったり。

ご自身でやり過ごせる程度、今日ビール飲んだら元気いっぱい!会社に行くのも軽々OK♪となるようでしたら、問題ないでしょう!しかし、すっきりしない思いがグルグルし続けたり、同じような不快な出来事が繰り返されたりする時。そんな時は「お悩みの俯瞰」をしてみてもいいよ、と無意識が動き始めたタイミングなのかもしれません。まりさんにも、ちょうどそんなタイミングで声をかけて頂いたのだと思います。

今回のまりさんのお悩みは「仕事を辞めるか否か」でした。その根底に「仕事に対する自分の価値観をどうしますか?」という問いが発生していたようです。その答えは「自分の価値観を定めます」だと、お見受けしました。

最後に一連のお話をシェア頂くことを快く承諾頂きましたまりさんにお礼を申し上げます。どうもありがとうございました。

 

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