Warumiの柱

「こころミュージアム」のキュレーター。Warumiの「こころの魔法」研究報告です☆

瞑想って何のためにするの?(その2)

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本日は前回のこちらの続きです。

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瞑想をすると心の中がお掃除されてスッキリしますよ、というお話でした。

スッキリ!することって大切なことです。ごちゃごちゃしているものが整理整頓されて、気持ちがスッキリする。そうするとぼやーっとしていたり、コーフンしてあっぷあっぷしている状態から、抜け出ることが出来るからですね。

ところがですね。物事には何にでも二面性(良いところ、悪いところとか)があるように、このスッキリ、という状態も諸刃の剣と成りかねない可能性がある。

よく誤解されがちなのが、瞑想しているからっていって、別に人格者とか、偉大な人になれるわけじゃないんですよね。私たちってつい、瞑想、座禅って言われると、インスタントに徳の高いお坊さんをイメージしがちかもしれませんが、残念ながら瞑想だけではそういうわけにはいかないんです。

瞑想は、心が鎮まるんです。そういう状態を心に出現させることが出来る方法、と言ってもいいかもしれない。

心がスッキリすると、何かを行動に移す時には迷いがなくなる。思ったらさっと行動出来る。あれこれと思い浮かぶ思いに邪魔されないわけですから行動に移すことが出来るわけです。そして行動の前も最中も後も心は波立たず、なんかこうひとつの境地にいるかのような思いが湧いてくる方もいるかもしれません。

こういった状況になるとですね。例えばですけれども、何らかの悪事を働くとか、人を傷つけるようなこととか。これはあくまでも可能性の話ですが、心がマインドフルネスの状態であると、こういった行動でも躊躇なく出来る、という可能性も否定できないんですよね。

心がスッキリするってことは確かにとても素晴らしいことなんですが、それだけでは心もとない。スッキリしているがこそ、悪事を働くなどという容易に極端まで振れてしまう可能性があるからです。

ということで(前置きが長くなりましたが)瞑想をするもうひとつの理由。それは、鎮まった心の状態で、改めて私たちの心の働き、構造を観るってことだと思います。

以前こちらでもちょっと書きましたが、ブッダが看破した、とされる人の心の構造は12段階にわけることが出来る、という仏教的な考え方があります。

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そう。感覚から感情が生まれ、それがあなたの個性のようなものになる、というお話でした。え?感覚と心が関係あるんですか?と問われれば、もう、これがおおありなんですね。私たちの心というものは、常に外界の刺激にさらされていて、その刺激でいとも簡単に様々な感情から妄想(ブッダに倣って敢えてこう、言いますが)を生み出している。

例えばあなたが小さい頃、お外で遊んでいたとします。季節は春。風は春の花の香りを運んできて、太陽がぽかぽかして「気持ちい~♡」と思っている。そこで、一緒に遊んでいたお友達と何かのきっかけで喧嘩して、そのことで大好きなお母さんからこっぴどく怒られちゃった、と。そんなまあ、小さい頃であれば極々ありふれた経験をしたとします。

この記憶。あなたにとっては、ああそんなこともあったかな~っていうくらいの遠い過去の思い出のひとつかもしれません。もしかして「そんなことあったっけ?」って忘れてしまっているかもしれない。ところが。脳をひっくるめて、私たち人間ってやつはこういった体験を身体の記憶としてどうやらインプットしてしまう機能を持っているようなんですよね。

そうすると、自分では気付いていないけれど

*春、外で花の香りを感じると、どういうわけかすこーしだけ気分が下がる。

*外で太陽にあたってぽかぽかしてくると「これから何か悪いことが起こるんじゃないか」って、ふと根拠もなく予感してしまう。

*自分の母親に似た人を見かけると、それもその人を下から見上げる機会があると、なぜかとても申し訳ない気持ちになる。

などなど。

こういったことが自動的に自分の中に起こってくる可能性があるんですよね。自分ではあの幼い頃のありふれた経験が、まさかこんな風にふと自分の中に湧いてくる気分とリンクしているとは想像もできない。けれど身体は、そして無意識界は、しっかりこのことを学習して情報をインプットしている。そして、事ある毎に、その幼い頃の経験を彷彿とさせる、ちょっと似たものを見たり、聞いたり、匂いを感じたり、すると、その光景を自分の中に繰り返し再生してしまうんです。

ですから、あなたが今、好き/嫌いなもの、心地いい/不快と感じるもの。そういったものって、過去の情報の集積から醸し出されてくるものだと言っても過言ではない。それはまさに、今を生きながら、過去を生きている、とも言えるものかもしれません。

そういったあなたの好き嫌いや快/不快(他にもたくさんの要因がありますが)は、追ってあなたの性格としてあなたの中に落ちてくる。

例えば春に気分が乗らないことや、落ち込むことが多いとしたら。新学期、新しい環境で新しい友だちを作る時に、その気分が現実に行動するときに支障を来す可能性がある。そういうことが積み重なれば、ああ、自分ってのは友達を作ることも出来ない暗い人なんだって思ってしまう。自分でそう思うことで、友達のいない自分、という個性が確立されていく。

これはずいぶんと極端な例ですが、こういった心の働き、そして構造があることをですね。どうやらブッダは瞑想を通じて発見なさったってわけなんですよね。

ええ、そうなんです。瞑想をするもうひとつの理由。それは、こういった一連の自分の心の働きの解体作業のためです。鎮まった心の目で、自分が何を今感じていて、それはどこから発生しているもので、そして今、その感じている自分が何を思って、それがどんな感情を引き起こしているのか。それが自分の自我(個性のようなもの)とどうリンクしているのか。そしてリアルタイムでそういった心の動きの軌跡、そのものを感じること。

瞑想をすることで、このように過去を現在に投影している心の働きに気づく。感覚から感情→自分の個性、と言われるものに落とし込まれた道筋を発見すること。これが私が思う、瞑想をするもうひとつの理由です。

でね。これを突き詰めていくと、どうやらこの世の全ての理、とか、この世の現象の成り立ち、とかそういうスケールの大きいところの気づきにもつながっていくらしいです。が、私個人的にはそこまでとても追いつけそうにないので、ご遠慮申し上げている次第です。

ってことで、独断の偏見の「私が思う瞑想をする理由」。ひとつは、心のお掃除であり、もうひとつは心の働きや構造の道筋を観る、ということ、ということで、わたくし、スッキリしました!

そう、前回も書きましたけれど、瞑想をする理由は人により違って当たり前です。ただやみくもに座る、というよりは、自分は何のために瞑想をするのかな、ってことは考えておいてもいいかもしれませんね。

よろしければご参考にしてみて下さいませ。

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