Warumiの柱

「こころミュージアム」のキュレーター。Warumiの「こころの魔法」研究報告です☆

パセリ、セージ、ローズマリー、タイムと妖精と。

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twitter上でお見かけして、おお!と好奇心に駆られ、フェアリードクターでいらっしゃる高畑吉男さんの「妖精譚のお話会」なるものに初参加してきました。

www.oberon-kingdom.jp

最近このブログでいろいろ書いていますが、私の中で「ものがたり」「おはなし」という波がちゃぷちゃぷと押し寄せては引く、みたいな毎日ですから。それは楽しみにしていました。場所は狛江のENCHANTÉ Herbal Caféさんで。場所もしつらえももう、カンペキ!オブ・ザ・カンペキ。ほんとにすばらしかったです。あんじゅさんの雰囲気がまた、なんでしょうか。妖精さんの世界にもうしっくりというか、そのものの佇まいでいらっしゃって、本当にステキでした。

そして、2時間たっぷりケルトの世界を縦横無尽に語りつつ、あたかもその場所でものがたりが展開しているかのような、妖精たちの気配を立ち上らせるような、そんな高畑さんの語りが素晴らしかったです。

素晴らしい話、というのは、色々と自分の思いも喚起してくれる起爆剤のようなもので、ケルトの世界を眼前に繰り広げて頂きつつ、有難いことに私の中にもいろいろな思いが巡りました。特に妖精たちが人間さまのご都合まったく関係なしに、気まぐれのように現れては、人間に福をもたらしたり、災いを投下したりと自由なところが痺れた~。そういうの、とても好きです。そうなのだ、これは前述のホドロフスキー大先生の「太陽系目線の愛」ともつながるのだ~。

ところで、私は妖精の姿なんぞは感知できない無粋者ですが、そういう気配のようなものがあるっていうのはわかる気がします。小さい頃の思い出の中のあの「闇」の感じとか、ちょっと離れたところにキレイなお花を見つけた時のちょっとだけそこがぱっと明るい感じとかっていうあの気配。

そんなことを思い出しつつ、お話を聞いている間、唐突に河合隼雄先生の最終講義に思いが飛びました。これですね~

youtu.be

この講義の中で、河合先生がこの「ブタヤマさんたらブタヤマさん」って絵本を紹介されていますが、思い出したのはこの本のことでした。 

ブタヤマさんたらブタヤマさん (えほんのもり 9)

ブタヤマさんたらブタヤマさん (えほんのもり 9)

  • 作者:長 新太
  • 発売日: 2005/02/01
  • メディア: 大型本

このブタヤマさんがちょうちょに夢中になっている間、ブタヤマさんのうしろに巨大なあれこれが次々と現れるのですが、ブタヤマさんが「なあに どうしたの なにか ごよう」とふりむくとそこには誰もいない。

妖精さんはもっと小さいでしょうから!巨大なあれこれとは違いますが、人が「蝶」にを取られている時にそれらはあらわれる。それが人と妖精さんとの関係みたいなものなのかな、と。

河合先生も仰られているように「蝶」はプシュケー。それは魂やこころの世界のメタファーでもあります。こうやって私たちがふとこころの世界をじっとのぞき込むような瞬間にそれは立ち現れて、現実世界に目を移せばぱっ!と消えてしまうようなそんな存在なのかな、と思いが巡りました。で、勝手自ら、プチコーフンしておりました。ああ!そうか!って自分なりの妖精さんの存在って何?ってことが腑に落ちた気がしたんですよね。

高畑さんにはいくつものお話をして頂いて、どれもこれもほーーー!って感じだったんですが、中でも私は妖精さんとの取引譚(そんなジャンルがあるか知りませんが、私が勝手に)がとても面白かった。先日もこの人魚姫の話で自分なりに「取引」について考えたみたんですけどね。また今回、お話を聞きながら、またなぜそんなに頻繁に「取引」ってものが、ものがたりの中に登場するのかなーって、思っちゃったんですよね~

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お話の中で、お姫さまが自分がお嫁にいけないことを嘆いていると、妖精さんがあらわれて「〇〇を用意出来れば」素晴らしいお方と結婚が出来ますよ→そんなのむりー!っていうやりとりが何度も繰り返される。まるで「かぐや姫」の逆バージョンのようなね!〇〇は普通に考えたら、絶対手に入らないようなものがリクエストされるんですよね。

この「取引」って、たいがい人間さまにはえ!?みたいなものばかりがリクエストされるのが定番ですよね~。なぜなんでしょう。幼い頃はただのいじわる?って思っていましたけれども(かぐや姫って本気でお嫁に行きたくなかったのね~くらいな感じ?)。ただのいじわるじゃないですよね~そりゃもう、人間目線過ぎるってものかもしれません。

いまつらつらと考えるにね、それって何かこう、自分にとってのイニシエーション的な意味合いも含んでいるのかな~と思いました。

例えばこの「現世的」なコンテクストの中では、理解ができない、或いはそれが「得だの、損だの」という視点ではまーったく意味不明、というこれらの「取引」。その〇〇(実現不可能、或いは実現するとなると、とんでもなくひどい目に遭うようなミッション)って、ある種、今自分のいるA地点の視点ではもう捉えきれない何かをえいやっと越えていくための何かのイニシエーションっていうこともあるのかなあと。

それは、現実世界の中ではまったく理不尽だったり、意味がわからなかったりするもの。しかし、それを妖精さんのいるB地点をその「取引」と共に通過することで、また違うものになってこっちに帰ってくる。若しくはその「取引」のパワーそのものに敗れてこっちに帰って来られない。もはやA地点にもいられないし、でも、うまくC地点にも着地出来ずに、ちょっとおかしなことになっちゃったんですけど!みたいなね。

こうやって書いていると、それはまるでちょっとおかしなことになちゃっている今の自分の状況をなぞっているかのようで、ちょっと笑ってしまったのですがね!

でもそんな風に思ってみると、この世の中でいろいろと越えていかなければならないひとつひとつに、やっぱり妖精さんの魔法がかかったりすることもあるんだよな~、ってわりと理解できるように思いました。それを時々私たちは「奇跡!」とか「不思議!」とか言いながら、普通に受け入れている。でも、それって「魔法が欲しい!魔法をかけて!」ってそこだけに集中していると、それは起こらなくてってところも本当、その通りですよね。魔法や奇跡は目的ではないのだ~。

やっぱりそこで河合先生の「コンステレーション」を見る、ということの大切さを改めて感じ入りました。その〇〇っていう不可能or難題の立ち位置、それにトライしようと思って試行錯誤している自分の立ち位置、そしてそれを取り巻く自分の生活や人間関係というもの。これらをちょっと引きのアングルで丸ごと見るってことはね。直線だらけの世界に含みとか、ふくよかさを与えてくれるんじゃないかなと。そして、その結果的に、その〇〇の突破口をB地点の視点で見つけたりすることが出来るかもしれない。「かも」ってところがいい。この感覚をものがたりの中だけじゃなくて、もっとこの日常のなかに感じるってのを、私はしなくっちゃーって思いました。

魔法ものがたりって、途中のハラハラドキドキが必要だし、結末はえ!?ってちょっとたじろぐ感じ。そんなのが私は好きだったじゃないか!ってホントに改めて思わされたんですよね!

そして、スカボローフェアのお話のくだりも最高でした!不思議な歌詞だってことも、それがケルトのお話、The Elfin Knight,(妖精の騎士)がそもそもだった、なんて全然知らなかったです。

Are you going to Scarborough Fair?
Parsley, sage, rosemary and thyme,

パセリ、セージ、ローズマリーとタイム。あんじゅさんがさっと作って下さった、この小さなハーブの束の香りがほんとにすばらしくて!ものぐさな私も、ああ、生活のなかにハーブがあるってすんごいいいな!って、育ててもいいかな?熱が(そのくらいすばらしい香りだったんですよ~☆)。

ということで、インスパイアいっぱいの時間を頂いた高畑さんとあんじゅさん、本当にありがとうございました。とてもステキな時間でした。

 

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